この絵画から思うところを600字以内で述べなさい。
東山魁夷「道」(※ここではリンクは貼りません)
(2018日本医科大学)
Version 3
「東山魁夷の『道』は日本画の最高傑作のひとつであり、作者の内面を映し出している。シンプルな構図と色使いによって、『希望に満ちた未来』や『不安と決意』を表現している」……などと書けば、この絵画を鑑賞したことになるのだろうか。私はそうは思わない。なぜなら、絵画は本来目で見て楽しむものであり、頭で理解するものではないからだ。感動を言葉で表すことはできないのだ。
大切なことがすべて言葉で説明できたり、理性で割り切れたりするわけではない。言葉は誤解の源にもなる。このことは医療にも深刻な影響を与えている。例えば、効果のない高額なニセ医療にだまされる患者や家族が後を絶たないという。これは患者や家族と医療者とのコミュニケーションに根本的な原因がある。
特に末期がんの患者は大きな不安を抱えており、「標準治療」よりも効果的な「特別な治療」があるのではないかと、最適な治療を懸命に探している。こうした不安に対して、医師が科学的な根拠と理論で納得させることは難しい。代替医療に走ってしまう患者や家族をせせら笑う医師がいる一方で、親身になって患者の気持ちに寄り添ってくれるニセ医療者がいるという、遺族の証言もある。
医師にとって最も必要な資質は、必ずしも頭がよいことや言葉で説明する力ではない。患者の目線になって共感する力、そしてときには黙って話を聞く力が欠かせないのである。
(約590字)
※やっぱり、単に「思うところを述べる」のではなくて、
問題提起をしないと「小論文」にはならない...と思うのですが?
2019年12月29日
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