2016年09月30日

書評『ビジュアル英文解釈』

休日&出張の友。
Scientific AmericanNational Geographic をもっとしっかりと読むために、その10。

(短文系でも長文系でもない)英文解釈:
ビジュアル英文解釈(Part1)』『ビジュアル英文解釈(Part2)
伊藤 和夫  おすすめ度★★★★★★

はじめにもうしあげておきますが、私は「伊藤和夫教の信者」ではありません。この本は多くの致命的な欠点ももっています。それでもなおかつ類書では得られない価値がたくさんあります。レベルは、高校入試程度の英文からスタートして、共通一次(昔のセンター試験みたいなもの)へ、そして最終的にはいくつか難関大の英文もありました。
ただし、「マークシートで正解が選べる」のと「もとの英文がしっかり読める」のは、まったくちがうレベルなので要注意! 共通一次の英文を100%理解するのは意外とむずかしいです。

【取り組み方】
「例題61問(複数のパラグラフからなる文章)」+「すべての解説の精読」を2周+アルファ。
※著者すいせんの「文法編」「さくいん」を使っての復習は、やりません。
※はじめてのとき(何年か前)すべての例題をコピーしてノートに貼りましたが、さすがに面倒なので今回は本のままで。ノートなくしちゃったし……。

【よいと思うところ】
●(和訳のコツを寄せ集めたような類書とはちがって)英文解釈の基本原則がほんとうに学べるようになっている。
●(重要事項と例外事項が同列にあつかわれている類書とはちがって)重要事項が、形を変えてしつこく繰り返される
●きわめて詳しい解説(とくに「誤解を連発する生徒3人と先生の会話」のコーナーが独特)。
●これほど手間をかけてつくっている参考書は、他の分野にもほとんど存在しない。
●超くわしいさくいんがついている。

【悪いと思うところ】
●ハードカバーと独特のレイアウトのため、きわめて読みにくい。「解説」と「英文の本文」「Review」の3コーナーを、ひたすらページをめくって行ったり来たりしなければいけない。
※すべての例題をコピーしてノートに貼るのがいいかも(はじめから別冊になっていれば、その必要はないけれど)。
※「解説」で話題になっている本文中の英文が省略なしに再掲、あるいは「Review」の例文が「解説」中に再掲してあれば、いちいちもどる必要がなくなる(ページ数は増えてしまうけれど)。
●(文法編やさくいんをのぞいても)全526ページ。あまりにもたくさんの情報がつめこまれていて、一周するのがほんとうに大変! 軽薄短小な最近の参考書とちがって、重厚長大。
※時間と手間がかかってもいいから本格的にやりたい人むけ。
●構成上、細切れ時間に少しずつ……ということができない。腰をおちつけてじっくりとりくむ必要がある。
●英文そのものには、あまり魅力はない。原則さえ理解できればそれ以上の復習は必要なく、別の本(より自然な英文の載っている本)にすすむべき。
●音声がない。

【結論】
やはり、まず『ビジュアル英文解釈』で理論を学び、その後に『基礎英文問題精講』『新英文読解法』で実践練習、そして原書の多読・精読へというのが王道であると確信いたしました。
よくみる「上巻と下巻のあいだにギャップがあるから、別の本をあいだに挟め」というアドバイスは、木に竹をつぐようなもので邪道! 『ビジュアル』は2冊で1冊であって、そもそもギャップなど存在しません。かりにギャップを感じたとしたら、前半の復習不足か語彙の不足が原因でしょう。
(注)これはあくまでも「構文(一文ずつ、節や句の修飾関係)を理解するための本」であって、「長文(大意の把握や議論の構成)を理解するための本」ではありません。ご注意を!

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posted by a cat at 12:30| Comment(0) | Book Reviews | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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